ロータス通信

ロータス通信詳細

NO.244

2011-5-27発行

義捐金に感謝、IAVI会費のお振り込みもよろしく

理事長 石渡 博明


東日本太平洋岸を襲った3月11日の大震災は、未曽有の惨事として日本国内はもとより世界に衝撃を与えています。とりわけ福島原発の事故は、未だ終束のめどさえたたず、地震・津波で命を落とされた方々への鎮魂の声さえも呑み込み、かき消されてしまったかのようです。事故は想定外どころか、心ある人々によって早くから危険性が指摘されていたにもかかわらず、国策の名の下に正論は少数意見として葬り去られてきた経緯にあり、少数意見・少数者の切り捨てが、いかに歪んだ社会をもたらすかという点で、きわめて示唆的であったと言えるでしょう。
そうした状況を反映してか、本誌前号で呼びかけさせていただいた被災された視覚障害者・視覚障害施設への義捐金には、急な呼びかけにもかかわらず、多くの方々からの賛同が寄せられ、5月25日現在で90件52万円に上り、その後も引き続きお振り込みをいただいています。震災の傷跡が癒えるのには、まだまだ時間がかかりそうです。引き続いてのお振り込みをよろしくお願いいたします。
 ところで、経済状態が厳しい中、会員ならびに関係者の皆様方の家計も厳しい中から義捐金をお送りいただいた上に、援護協会への会費振り込みのお願いをするのは誠に心苦しい次第ですが、例年のこととして今年も振替用紙を同封させていただきましたので、こちらへのご協力もよろしくお願いいたします。
 さて、本国政府・盲人協会の要請で母国へ一時帰国―避難をしていたモンゴルの留学生も元気で帰国、新学期を迎えて留学生は全員元気で頑張っています。留学生を始めとした援護協会の近況は、以下でご紹介させていただきますので、本文をご参照ください。


《学校での生活がスタートしました》

ツェグミド ツェンドスレン 


私が、平塚盲学校の勉強や寄宿舎の生活を始めて1ヶ月位がたちました。最初は寄宿舎のルールや勉強のことがとても大変でした。でも、周りの人たちや先生がたが、「いつでも、何回でも聞いてください」と言ってくれたので少し安心しました。
でも私は今も勉強のことだけではなくて、少食ですので、お腹が一杯の時とか何となく食べたくない時もあり、それがちょっと心配です。
けれども毎日一生懸命がんばって日本の習慣に慣れたい気持ちがあります。そして、私の解らない言葉とかできないことをみなさん親切に一生懸命説明してくださったり、教えて下さったりしましたので、大変助かっています。     神奈川県立平塚盲学校理療科1年生(モンゴル)


グェン ティ スイェン 


学校に入ってから1ヶ月になりました。学校に入った時、色々なオリエンテーションがあり、学校と寄宿舎の活動に参加しました。5月10日は、遠足に参加しました。午前中は神社へ行きました。そこは明治神宮と言うところでした。お昼はみんなでお弁当を食べました。午後は池袋の近くでボーリングをしました。私は、ボーリングは初めての経験でした。ボーリングはとても疲れました。ボールを転がすのはとてもむずかしく、自分が転がっていきそうでした。
クラスメートは、みんな親切で、いつでも手伝ってくれます。
勉強がとても難しくて、あまり解りませんが、先生たちは優しいし、熱心だし親切にしてくださっています。今、新しい生活にちょっと慣れてきました。生活は忙しいですけど、面白いです。
筑波大学附属視覚特別支援学校専攻科1年(ベトナム)


《クンチャンさんの結婚のお祝い会に参加して》

ダムディンツェレン ニャマフー


4月16日土曜日に、ミャンマーのクンチャンさんのご結婚お祝いの会に参加させて頂きました。高田馬場にある中華料理屋さんでその集まりが行われました。とても賑やかな夜でした。
日本点字図書館の理事長の田中先生と筑波技術大学の藤井先生、私の通う学校の足達先生と日本語の先生方、私が初めてお会いした皆様、IAVIの理事長の石渡さんをはじめ職員の皆さんと、一緒に美味しい中華料理を食べながらたくさんお話ができ、私にとっても大変楽しい夜でした。
私は、クンチャンさんがとても素敵なご主人と結婚したことが、すごく嬉しいです。その上にミャンマーの視覚障害者たちはこんな良い先生にいろいろお世話になることができ、良かったと思います。これからも、クンチャンさんと一緒に頑張るでしょうね。
お二人のこれからの生活、お仕事がきっといつもいつも成功し、幸せ一杯になることを願っています。
筑波大学附属視覚特別支援学校専攻科3年(モンゴル)

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■ダンクン・チャンさんは2009年に平塚盲学校を卒業し、ジャパンハートが開校した「ミャンマー視覚障害者医療マッサージトレーニングセンター」で講師助手として働いています。ご結婚相手の塩崎真也先生は、トレーニングセンター講師として活動されています。お二人で力をあわせてミャンマーの視覚障害者の自立のためにお仕事をされています。お二人が、日本においでになった時に、東京で援護協会が主催してお祝いの会を開催しました。                (編集担当)


《元留学生達とソウルで会いました》

理事 新井 愛一郎


3月8日に韓国・ソウルにおいて国際視覚障害者援護協会の元留学生の皆さんと会うことができました。焼肉レストランに集ってくれた5人は、リハビリテーション施設職員、盲学校の教師や、障害者施設の職員、治療院経営、治療院勤務、などの仕事をしていました。
元留学生同士でも初対面の方もいまして、自己紹介や、近況報告、日本での思い出などの話で盛り上がりました。そして、思い出だけでなく、これから是非交流を深めていき、一人一人が、これからの日本との関りの意味を見い出しながら、国際視覚障害者援護協会と繋がりを強めていこうということになりました。
援護協会韓国支部へ向けた大きなきっかけとしての、楽しい一時を過ごすことが出来ました。今後、それぞれの皆さんの近況報告などを、ご紹介して行きたいと思います。

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《3月に帰国した元留学生よりの近況報告》 
                
ファン・バン・ソン(ベトナム)


皆さん、お元気ですか。
私は、帰国してから、生活のため、毎日2人から3人の患者さんを治療しています。あいている時間にハノイ市内やハノイの近くの障害者の組織を訪ねています。
最近、マッサージのお客は増えてきました。そのため、マッサージの仕事が成功してお金持ちになった視覚障害者もいますが、妹のように、技術や経営力が足りなくて、失敗した人が少なくないです。
盲人協会などで、短いマッサージのコースはよく行われていますが、質がとても悪いんです。
たとえばハノイ盲人協会で行っている4ヶ月のコースは、学生が20人で半分は点字も墨字も、読む・書くことができません。設備は、ベッド四台しかありません。先生は3人います。一人は晴眼者で専門学校を卒業、二人は視覚障害者で3ヶ月のコースを受けた人です。私はボランティアとして、ときどき教えに行っています。
また、先月ハノイから500キロ離れたQuang Triという県へ行きました。Quang Tri は田舎で、経済はハノイに比べてもっと大変ですが、盲人協会は海外の支援を受けて、3階の大きな建物があって、マッサージなどをしている視覚障害者と運動障害者が15人います。
私は、2005年からVinh Phuc 盲人協会の30人ぐらいの視覚障害者にマッサージを教えていました。Vinh Phuc 盲人協会で働く人が活発で県の政府などからよく支援をうけています。私の学校を作る夢を実現するように応援してくれています。また、一度日本へ見学したいといっています。
また、先週、教育省の元副大臣でベトナムの障害者連合協会の会長に会って、夢を話すチャンスがありました。その人は来月、海外に出張している教育省の特別教育研究院の院長と相談して、それから、私に協力してくれると言っています。
1年ぐらい日本で習ったことをベトナムで生かし、色々な関係を作り、また妹などを助けたいと思います。
学校を作り、ベトナムの障害者の教育が上がるように、最後まで頑張り続けたいと思います。そのため、来年の7月に大学院の受験のため、日本へ行きたいと思います。ぜひ、ご協力をお願いいたします。 

「地の塩基金」を創設しました!


 石渡 博明
昨年秋、会員のSさんから信じられないほど高額のご寄付が寄せられました。会計担当の山田さんから「石渡さん、この数字、ゼロを間違えてないですよね」と振替用紙を渡され、早速、恐る恐るお礼のお電話をおかけして、1000万円!が間違いのない数字であることを確認しました。
 12月に開かれた臨時理事・評議員会でご報告し、扱いをご討議いただいたところ、Sさんのお気持ちを尊重して本部会計ではなく特別会計にすべきであること、お名前を冠して永く記念すべきであるとの結論に達しました。
 そこで年も明けた今年2月、東北地方へ出かける用事ができたのを機にSさんをお訪ねし、お礼かたがた基金の取り扱いについてご相談させていただきました。今年73歳になられたというSさんは、小柄なお身体ながら今も現役の医師としてご活躍とのことで、年齢を感じさせぬとてもチャーミング(年長の方に対して失礼な言い方かも知れませんが)な女性でした。20年ほど前まで経営されていた医院跡を整理して、その時手許に残ったお金の一部をご寄付くださったもので、留学生が帰国後リーダーとして活躍する際に役立ててほしいとの思いを、凛としてお話し下さいました。
 名称については、お名前を冠することは固辞され、基金を元に帰国留学生が母国の視覚障害者の下支えをしてほしいとの趣旨から、聖書の言葉にちなんで「地の塩基金」とすることでご了解を得ました。
基金の実際の運用については、これからの検討に付すことになりますが、まずは嬉しいご報告まで。 
◎コンサートのお知らせ◎
毎年、留学生の入学前研修の一環として着付け教室でお世話になっています「座・スーパーマーケット」の田村啓子さんの企画により、チャリティーコンサートを行います。
今回は、田村さんのお知り合いでゴスペルシンガーの第一人者、亀淵友香さんが留学生支援の為、ご出演くださいます。夏の一夜、素晴らしいゴスペルソングの数々を是非お楽しみください!

<座・スーパーマーケット企画>
国際視覚障害者援護協会留学生支援チャリティーコンサート

亀淵友香&VOJAゴスペルコンサート「祈り」

◆日時:8月26日(金) 18時30分開場、19時00分開演
◆会場:かめありリリオホール(東京都葛飾区亀有3?26?1)
アクセス:JR(地下鉄千代田線)亀有駅南口 下車徒歩1分
      リリオ館(イトーヨーカドー)8階 ?:03-5680-2222
◆出演:亀淵友香&VOJA
◆入場料:一般前売り2,500円/当日3,000円
(介助者とのペアチケット3,000円)
◆お問い合わせ・お申し込み:社会福祉法人国際視覚障害者援護協会
〒174-0052東京都板橋区蓮沼町20-18
電話03-5392-4002 e-mail:h77622icb@iris.ocn.ne.jp
HP:http://www11.ocn.ne.jp/~iavi/
尚、チケット販売開始は6月下旬。ペアチケットのお申し込みは「座・
スーパーマーケット」田村さん(090-2555-6585)まで、お願い
いたします。
主催:座・スーパーマーケット
協賛:財団法人日本財団
後援:葛飾区教育委員会 社会福祉法人日本点字図書館 社会福祉法
人東京ヘレンケラー協会 かつしかFM NPO法人かつしか子
ども劇場 (有)アットイ―ズ  社会福祉法人国際視覚障害者
援護協会 
(助成金はチケットの売り上げ枚数に応じて交付されるため、1人で
も多くの方のお出でをお待ちしております。)

【お願い】
 巻頭の理事長あいさつにもありますように、国際視覚障害者援護協会への会費のご送金をお願いします。
同封の振替用紙にて、ご送金をよろしくお願い申し上げます。
通信欄にある、維持会員(個人か法人か)または寄付の項目の該当するものにチェックをお入れください。
なお、維持会費は個人の場合3,000円か5,000円か10,000円、
法人会員の場合は10,000円からとなっております。
また、『ロータス通信』誌上でのお名前の公表の可・否についてのチェックもお願いします。

=編集後記=
 4月から盲学校に入学した二人、頑張っていますね。学校での多くの方々
との暖かな交流が大きな支えになっているようです。
帰国した元留学生の活躍も、どんどんご紹介していきたいと思います。

=業務日誌=
4月 9日  ニャマフ―さん、モンゴルへの一時避難から帰国。
4月11日  マンダハさん、モンゴルへの一時避難から帰国。
4月12日 ジャパンハート、クンチャンさん、塩崎さん来館。
4月16日 クンチャンさん、塩崎さん、お祝い会。
4月25日 今年度第1回卒後鍼灸手技研究会。
4月29日 筑波大学附属視覚特別支援学校、保護者懇談会。
4月30日?5月7日 留学生、舟橋会館に宿泊。
5月 4日 在館留学生、横浜(中華街・山下公園・元町)散歩。
5月 7日 留学生問題検討委員会。
5月10日 平塚盲学校、先生方と個人面談。
5月29日 板橋ふれあい祭り参加。第2回卒後鍼灸手技研究会。
5月31日 22年度決算理事・評議員会。