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No.284

【ロータス通信 284号 2018年2月12 日発行】
 

災いを転じて福となすために、
IAVI存続へ向けて知恵と力をお貸しください!
                              理事長 石渡 博明
 春の訪れがまだまだなように、新しい年を迎えて前向きなことを書きたいところでしたが、あいにく残念な話題から始めなければなりません。

本誌前号で、文科省の補助金が削減か廃止という厳しい状況にあることをお伝えしましたが、結果は何と「廃止」でした。12月25日、文科省の鈴木さんがわざわざ舟橋記念会館へお出でになり、財務省との交渉の結果、残念ながら「廃止が決定」とのことでした。その理由は、文科省全体として削減傾向にあり、援護協会もその一環でということと、「国益に資していない」とのことであり、閣議決定を受けて、とのことでした。
 国益論については前号でも触れましたように、文科省―財務省、ひいては国が、きわめて短期的なものの見方しかしていないということ、長期的に見れば、今回の決定そのものが国益を損ねているということが分る日が、いずれ来ることだけを指摘しておきたいと思います。
 とは言え、援護協会にとって今回の決定が大きな打撃であることは否定のしようもない事実で、1月12日、緊急の役員会議を開催、善後策を討議しましたが、もちろん決定打などは出ようもなく、結論は1、2年かけて検討すべき、といった意見が出されたほどです。
 役員の中には、関係機関に働きかけて動きを作ろうとなさっている方もおられ、また記者会見をしたらどうかと言ってくださる応援団の方もいらっしゃって、そうした方々からすると、事務局の対応があまりに悠長にすぎるように見えるかもしれません。が、事務局としては、援護協会事業が曲がり角にあったことは重々承知の上で、弥縫策ではその場は乗り切れても矛盾の先送りにしかならないこと、これを機に問題点を総ざらいして一からスタートし直さなければならないと考えて、具体的な行動に移れないという辛い状況にあります。
 維持会員の皆様や援護協会事業に関心を持ってくださっている皆様方には、ご心配をおかけして甚だ心苦しいのですが、今しばらくお時間をくださるようお願いいたします。それと同時に、金銭的なご支援を継続していただきたいのは言うまでもありませんが、何よりもお知恵を、お力を、お貸しくださるよう改めてお願い申し上げます。
 尚、4月にスタートする新年度の留学生招聘事業につきましては、当面、縮小せざるを得ませんが、現在日本で勉学中の留学生の皆さんへの支援活動は引き続き、従来通り続けていきますので、ご安心ください。また、海外から寄せられてきている援護協会事業への期待・信頼に応えるべく、事業の継続へ向けた活動を模索していくつもりです。言うまでもありませんが、本事業は本来、援護協会のような小さなところだけで担いきれるものでもありませんし、日本の視覚障害者団体・支援団体、日本の三療業界、日本の留学生政策総体の中で担っていくべきものだと思われます。そうした点を踏まえながら将来像を設計していく所存ですので、これまで以上のご支援をお願いするものです。     
 

≪留学生のスピーチから≫

「私の行きたい国」
                  テイン・チョウ・リン  (ミャンマー)
 みなさんこんにちは。今から私がみなさんに話したいテーマは「行きたいと思っている国についてです。きっとその国の楽しいことをいろいろ聞いたら、みなさんも行きたくなってくると思います。その国は「ゴールデンランド」と例えられています。
 まず、その国の季節のことを紹介すると、夏と雨季と冬という三つの季節があります。夏は暑いですが涼しいところもありますから必ず行くことができます。雨季になると農民が田んぼを作り始めます。そして冬になると全国で黄金の田んぼを見ることができます。そんな景色を見ている人々は幸せになって気持ちもいいし、疲れもいっぺんに吹き飛んでしまいます。
 次に食べ物について話したいと思います。物価も安いし、新鮮な果物もいっぱいあります。特に田舎に行くとお金を払わなくても自分で好きな果物を自由に取って食べられます。
 次に人々について話したいです。その国には100以上の民族がいて、生活のしかたや服装などもそれぞれ違います。民族の美しい伝統舞踊も見ることができます。ゴールデンランドには、昔の歴史的な町や場所がたくさんあります。特に世界遺産に登録された古い都市がいくつもあります。
 そのほかにもう一つの面白い場所を紹介したいです。それはインレー湖です。そこは自然の湖でみんなが水の上に家を建てて生活しています。その湖の中に浮かんでいる小さな島があって、人々はその上でいろいろな野菜や花を作っています。そこに住んでいる民族のボートの漕ぎ方は他の民族と違って、足で上手にボートを漕ぎます。1年に1回ボートの競争があって、みんながその競争に参加します。そこではお土産にその人たちが作って売っているシルク製品が買えます。
 その国のもう一つの特徴は自分の内にだれか来たら必ず礼儀正しく美味しい食事をごちそうしてあげることです。
 みなさんいかがですか? 今まで話したことだけでもこんなに面白いと思うでしょう。本当に行けばもっと楽しくなって一生住みたいと思うようになるでしょう。
 みなさん、今紹介したゴールデンランドという国は昔ビルマと言われていたミャンマーのことです。皆さんの中に面白くて楽しい旅行をしたい人がいたら、ミャンマーの国民がやさしい笑顔でいつも暖かく迎えてくれますから、必ず行ってみてください。

「台湾と日本の視覚障害者の福祉」
                       蔡 静如  (台湾)
 皆さんこんにちは。私は台湾の蔡静如です。日本では、シズと呼ばれています。今から、台湾と日本の視覚障害者の福祉について、話したいと思います。
 私は全盲の視覚障害者です。どこへ行っても、手で触ったり、足で踏んだり、耳で聞いたり、鼻でかいだりすれば、環境の特徴をよく理解することができます。
 11才の時に初めて日本に来ました。道の上に点字ブロックがあって、その時びっくりしました。まさか歩道の上で点字を使うとは思わなかったからです。
 20才の時、もう1回日本に来ました。博物館を見学して、点字の説明書をもらいました。商品を買うと、ときどき点字のラベルが貼られていました。その時、とても便利だし、うれしいと思いました、それでよく日本に旅行に来たいと思いました。
 去年の10月に日本に来ました。そして日本の視覚障害者の生活がわかりました。社会参加や自立支援などが発展していて羨ましいと思いました。例えば、道を渡るとき交差点の信号の音で確認ができます。さらにバスに乗るとき、決まった乗り場で時刻表通りにバスが止まります。それでどこへ出かけていくのも安全です。
 以上、日本のことを述べましたが、私の国は台湾ですから、今から台湾について話します。
 最近台湾では、10年ぐらい政府とNPOグループが国連の障害者の権利に関する条約に基づいて、視覚障害者の福祉について、一生懸命調整をしています。
 まず、交通についてです。
1.大きい交差点に 音の出る信号を付けるようにします。
2.地下鉄の駅の改札で音を出すようにします。
3.地下鉄駅のホームドアに点字を書いて、何号車の何番ドアなのかを説明するようにし  

ます。
4.バス乗り場に特別に障害者の席を作ります。運転手さんはそれを見て、止まるように 

なります。
 次は、生活についてです。
1.商品の上に点字のラベルを貼るようにします。
2.博物館に点字の説明書を置いたり、音声の説明が聞けるようにします。
 将来もっと色々な福祉のサービスが良くなると、期待します。
(来日して3カ月。板橋区で行われる外国人スピーチ大会に向けて作文を作りました。二人の思いのよく出た内容でしたのでご紹介しました。)


3月16日?17日 

第一回台日治療按摩研修会がIAVIの支援で開催されます!
=帰国留学生の活動に応えて=
 

台湾のマッサージ事情についてはロータス282号で、元留学生で台北盲学校の教師として働いている謝 瑛昌(シェ・インチャン)さんに解説してもらいました。「マッサージの技術アップをしていかないとマッサージ業の発展はないのでは」という彼の強い危機感と何とかしたいという使命感が今回のセミナーとして結実しました。
 アジアの視覚障害者のマッサージ業の発展に尽力されている筑波技術大学教授で、一般財団法人一枝のゆめ財団専務理事の藤井 亮輔先生の全面的な支援で実現の運びになりました。治療按摩研修会として理療従事者と教師を対象として台湾の視覚障害者のセンター的な役割を果たしている財團法人愛盲基金會の呼びかけで開催されます。
 謝君は教師として、25年以上にわたり現場で理療業に従事するたくさんの視覚障害者を教育してきました。今後、台湾でもマッサージ業への晴眼者の進出が本格化していくなかで、視覚障害者の職業自立のために働きたいと日本留学をした彼にとっては、日本との交流活動の中で一つの課題解決の方策を見出したわけです。
 数年前から彼の思いを何より大切なこととして認識した私たちは、Skypeを活用した日本語のフォローや、日本語のスクリーンリーダーを活用したパソコン指導などを行い、台湾と日本との理療の架け橋になれるように関わってきました。そのような意味では、IAVIの役割を体現した人であり、活動であることを確信しています。このセミナーは継続的な取り組みの一つであることを謝君とも確認しております。
 さらに、日本の盲学校で医療マッサージを学んで帰国した元留学生達が、継続的に日本との繋がりの中で、自国の視覚障害者の自立にむけて活動していく、そして私たちがそれを支援していくと言う、IAVIの存在意味が大きく問われる活動であることも確認したいと思います。

元気に頑張っています
                    ジョロベコヴァ・シリン(キルギス)
 皆さんこんにちは、シリンです。あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。久しぶりですね皆さん。皆さんお元気でしょうか。私も元気です。昨年6月末にキルギスに帰ってきて少し大変でした。キルギスは日本ではないからいろいろ大変でした。鍼をキルギスで使うために厚生労働省にお願いしましたが、大学卒のレベルでないとダメだと言うことで許可がもらえませんでした。今は国立病院でマッサージ師として9月末から働いています。ですから皆さん手伝ってください。キルギスで鍼を使えるようになるために何をしたら良いか、意見があったらよろしくお願いします。
 今は1月から、視覚障害者の小さなグループを作って日本語を教えて、私達の後から続いて日本で鍼・灸・マッサージ学ぶために日本語を教えるコースを作ろうとして頑張っています。
 そしてキルギスの医療大学の中に視覚障害者のための2年間のマッサージコースがあります。そこで日本の按摩を教えようと話しています。いつから始まるかまだ決まっていません。
 今この時期はマイナス10度とか15度になりますが、今年は暖かいです。夜はマイナス6度まで下がりますが、昼は結構あったかいです。プラス2?3度になります。キルギスもお正月で昨日までお休みで、今日から仕事です。
(2018年1月4日に聞き取り。IAVIからは「みんなの日本語」の点字の本を5セット送っています。)

ミャンマーで体験したこと
                       ダン・クンチャン(福岡市在住)
 ヤンゴン市内の店が多く市場も近い良いところにある、この12月に開かれたばかりのマッサージ店に行った。最近マッサージ店がどんどんできています。視覚障害者に接したこともない晴眼者がどんどん雇っている。誰でも良いという感じで雇う。店で雇用するのは視覚障害者だけしかいないので、どんどん雇用される。
 そんな中でマッサージを受けたが、大変な目にあった。最初はその店で働く友達にやってもらうつもりだった。でも友達は他のお客さんにマッサージをしていたので、他の人がやってくれた。その男の人は、盲人同士はやりたくない、マッサージの先輩だから、いやだと。とりあえずやってもらったが、挨拶もしないし一切声をかけない。いきなり強くもむ。弱くしてといったら、そのときだけでまた全身を強くもむ。結局腰が動かなくなってしまい、2週間ぐらいずっと漢方薬を使用した。たくさん店ができまじめに頑張っいてる視覚障害者もいるけど、良い店を転々とただする人も多い。お金だけ考えて自分の技術を高めようとしない人が多い。
 盲学校できちんと習って証明書を取っていますけど、友達からちょっと習って仕事する人も多い。下手なのは当然ですね。
 盲学校でマッサージ師を養成しているが、そこにもお店があるので、訓練を受けた人が外で働かない。雇用されるからどんどん育成してほしいと思う。マッサージができれば仕事する場所があるから、働いて自立できる良い機会です。きちんと育てれば良いなと思います。

「白い杖の留学生 ミャンマー編」を参考にしてください
 昨年9月に「白い杖の留学生 ミャンマー編」を作成しました。ダン・クンチャンの体験記にも明らかなようにミャンマーは今大きな変化の波の中にあります。視覚障害者をめぐる状況も大きく変化しているようです。私たちもその点をきちんと知ってみようとの思いで出版しました。写真もたくさん、わかりやすい内容です。是非ご一読ください。郵送代のみご負担願います。また、テキストデータ版もご用意します。下記の要領でお申し込みください。「白い杖の留学生ミャンマー編」のコンテンツは以下のとおりです。
 はじめに
 国際視覚障害者援護協会の活動 白い杖の留学生たちと共に
 第1章 ミャンマーの基本情報
  ☆ミャンマーってどこにあるの?
  ☆ミャンマーってどんな国?
  ☆ミャンマーの歴史
  ☆ミャンマーの経済
  ☆技術支援、人づくり支援の成果を実感 入国介助の旅で考えたこと
 第2章 4人の留学生の自己紹介と日本留学の夢
  ☆留学生からの自己紹介     ミャンマーのまめ知識
  ☆「目が見えないから、これしかできない」という壁を破りたい
 第3章 ミャンマーの視覚障害者
  ☆ミャンマーの視覚障害者の現状と活動内容 ミャンマー盲人協会
 第4章 視覚障害者の理療の状況
  ☆社会に生きる喜びを目指して?ミャンマープロジェクトを中心に
  ☆帰国して仕事の現状
  ☆トピック 福岡市とヤンゴン市が姉妹都市の締結へ
 第5章 日本でミャンマーを感じる
  ☆料理、レストランとショップの紹介とミャンマー祭りの紹介
 あとがき
 ☆白い杖の留学生支援のためのお願い              」

 ご希望の方は該当する金額の切手を事務局までお送りください
  1冊→140円、2冊→180円、3冊→205円。なお、テキスト版CD→120円。

編集局からのお知らせ
 巻頭言での理事長の経過報告のようにIAVIの運営については大変厳しい状況となっております。これまでの活動全般の見直しが迫られています。ロータス通信の発行についても、ホームページの大幅な改善をおこないながら、並行して年6回の偶数月発行を、年4回の各季発行に変更したいと思います。ホームページを活用して行事予定やその報告などを、こまめに掲載したいと計画しております。
 また、回数を少なくすることを契機に、編集局としてのきちんとした体制を作り、さらに内容の充実を図りたいと思います。2018年度は、6月、9月、12月、3月の発行を予定しております。どうかご理解と、引き続きのご支援をお願いいたします。

卒業・進学・研修終了をお祝いする会
 寒さの続く中、春待ちどおしいこの頃ですが、もう1か月もすれば桜の咲く頃ですね。留学生達も新しい環境への準備に忙しいこのごろです。
 これまで支えていただいた多くの皆様と、楽しく交流しながら、卒業・進学・研修終了をお祝いしましょう。軽食をご用意します。
  日時:3月24日(土)12時?14時
  場所:国際視覚障害者援護協会3F会議室   
  会費:1,000円
お申し込み:3月20日までに、事務局まで電話かメールでご連絡ください。 
 電話:03?5392?4002  メール:info@iavi.jp

= 業務日誌 =
12月 5日 板橋の鍼灸医・金子さん来館、情報交換・館内紹介。
12月 7日 新井さん、大活字シンポで基調報告。
12月 8日 リンさん、シズさん、徳丸芸能祭に参加、発表。
12月 9日 リンさん、シズさん、後楽園遊園地を観覧。
12月10日 卒後鍼灸手技研究会・定例研究会の事務を担当。
12月11日 光の園・菊池さん来館、情報交換・館内紹介。
       インターホン故障、修理工事に立ち会い。
12月14日 『ロータス通信』第283号、発送作業。
       札幌の目黒さんご夫妻来館、情報交換・館内紹介。
       おたがいさまネットワーク月例会に参加。
12月16日 塙保己一賞授賞式に出席、川又さん母娘と交歓。
12月19日 リンさん、シズさん、浅草散策(羽子板市・川船乗船)。
12月21日 リンさん、シズさん、おたがいさまネット忘年会参加。
12月22日 筑波盲寄宿舎閉舎、留学生3名来館・宿泊(?1.9)。
       台湾マッサージセミナー打ち合わせ。
12月25日 文科省・鈴木課長補佐来館、補助金廃止通告
12月28日 仕事納め。
12月29日 留学生等、共用品推進機構アンケートに協力。
       日本点字普及協会トッテンくんアンケに協力。忘年会。
12月30日 リンさん、シズさん、デイサービスおむすび行事参加。
12月31日 留学生6人、南蔵院で年越し、氷川神社で年始。
1月 3日  留学生6人、高尾山初詣でに参加。
1月 4日  仕事始め。アクモールさん、宿泊先移動の引率。
1月 5日  リンさん、シズさん、高島平ピンポン大会に参加。
1月 7日  IAVI新年会、清水町地域センターで開催(60名参加)。
1月 9日  筑波盲寄宿舎開舎、留学生4名退館。
1月11日  基本財産取り崩しに向け、都庁訪問。
1月12日  文科省補助金廃止を受け、緊急役員会議開催。
1月15日  板視協新年会に出席。
1月17日  理事・安達さんのご主人の葬儀に参列。
1月19日  リンさん、シズさん、ヘレンケラー協会見学。
1月20日  指田さん塙保己一賞受賞祝賀会に出席。
1月21日  卒後鍼灸手技研究会・定例研究会の事務を担当。
1月25日  リンさん、シズさん、アサクラ眼鏡訪問。
       点字ジャーナル懇談会に出席。
1月28?30日 リンさん、シズさん、関西方面修学旅行。

【ロータス通信 284号 2018年2月12 日発行】
 

災いを転じて福となすために、
IAVI存続へ向けて知恵と力をお貸しください!
                              理事長 石渡 博明
 春の訪れがまだまだなように、新しい年を迎えて前向きなことを書きたいところでしたが、あいにく残念な話題から始めなければなりません。

本誌前号で、文科省の補助金が削減か廃止という厳しい状況にあることをお伝えしましたが、結果は何と「廃止」でした。12月25日、文科省の鈴木さんがわざわざ舟橋記念会館へお出でになり、財務省との交渉の結果、残念ながら「廃止が決定」とのことでした。その理由は、文科省全体として削減傾向にあり、援護協会もその一環でということと、「国益に資していない」とのことであり、閣議決定を受けて、とのことでした。
 国益論については前号でも触れましたように、文科省―財務省、ひいては国が、きわめて短期的なものの見方しかしていないということ、長期的に見れば、今回の決定そのものが国益を損ねているということが分る日が、いずれ来ることだけを指摘しておきたいと思います。
 とは言え、援護協会にとって今回の決定が大きな打撃であることは否定のしようもない事実で、1月12日、緊急の役員会議を開催、善後策を討議しましたが、もちろん決定打などは出ようもなく、結論は1、2年かけて検討すべき、といった意見が出されたほどです。
 役員の中には、関係機関に働きかけて動きを作ろうとなさっている方もおられ、また記者会見をしたらどうかと言ってくださる応援団の方もいらっしゃって、そうした方々からすると、事務局の対応があまりに悠長にすぎるように見えるかもしれません。が、事務局としては、援護協会事業が曲がり角にあったことは重々承知の上で、弥縫策ではその場は乗り切れても矛盾の先送りにしかならないこと、これを機に問題点を総ざらいして一からスタートし直さなければならないと考えて、具体的な行動に移れないという辛い状況にあります。
 維持会員の皆様や援護協会事業に関心を持ってくださっている皆様方には、ご心配をおかけして甚だ心苦しいのですが、今しばらくお時間をくださるようお願いいたします。それと同時に、金銭的なご支援を継続していただきたいのは言うまでもありませんが、何よりもお知恵を、お力を、お貸しくださるよう改めてお願い申し上げます。
 尚、4月にスタートする新年度の留学生招聘事業につきましては、当面、縮小せざるを得ませんが、現在日本で勉学中の留学生の皆さんへの支援活動は引き続き、従来通り続けていきますので、ご安心ください。また、海外から寄せられてきている援護協会事業への期待・信頼に応えるべく、事業の継続へ向けた活動を模索していくつもりです。言うまでもありませんが、本事業は本来、援護協会のような小さなところだけで担いきれるものでもありませんし、日本の視覚障害者団体・支援団体、日本の三療業界、日本の留学生政策総体の中で担っていくべきものだと思われます。そうした点を踏まえながら将来像を設計していく所存ですので、これまで以上のご支援をお願いするものです。     
 

≪留学生のスピーチから≫

「私の行きたい国」
                  テイン・チョウ・リン  (ミャンマー)
 みなさんこんにちは。今から私がみなさんに話したいテーマは「行きたいと思っている国についてです。きっとその国の楽しいことをいろいろ聞いたら、みなさんも行きたくなってくると思います。その国は「ゴールデンランド」と例えられています。
 まず、その国の季節のことを紹介すると、夏と雨季と冬という三つの季節があります。夏は暑いですが涼しいところもありますから必ず行くことができます。雨季になると農民が田んぼを作り始めます。そして冬になると全国で黄金の田んぼを見ることができます。そんな景色を見ている人々は幸せになって気持ちもいいし、疲れもいっぺんに吹き飛んでしまいます。
 次に食べ物について話したいと思います。物価も安いし、新鮮な果物もいっぱいあります。特に田舎に行くとお金を払わなくても自分で好きな果物を自由に取って食べられます。
 次に人々について話したいです。その国には100以上の民族がいて、生活のしかたや服装などもそれぞれ違います。民族の美しい伝統舞踊も見ることができます。ゴールデンランドには、昔の歴史的な町や場所がたくさんあります。特に世界遺産に登録された古い都市がいくつもあります。
 そのほかにもう一つの面白い場所を紹介したいです。それはインレー湖です。そこは自然の湖でみんなが水の上に家を建てて生活しています。その湖の中に浮かんでいる小さな島があって、人々はその上でいろいろな野菜や花を作っています。そこに住んでいる民族のボートの漕ぎ方は他の民族と違って、足で上手にボートを漕ぎます。1年に1回ボートの競争があって、みんながその競争に参加します。そこではお土産にその人たちが作って売っているシルク製品が買えます。
 その国のもう一つの特徴は自分の内にだれか来たら必ず礼儀正しく美味しい食事をごちそうしてあげることです。
 みなさんいかがですか? 今まで話したことだけでもこんなに面白いと思うでしょう。本当に行けばもっと楽しくなって一生住みたいと思うようになるでしょう。
 みなさん、今紹介したゴールデンランドという国は昔ビルマと言われていたミャンマーのことです。皆さんの中に面白くて楽しい旅行をしたい人がいたら、ミャンマーの国民がやさしい笑顔でいつも暖かく迎えてくれますから、必ず行ってみてください。

「台湾と日本の視覚障害者の福祉」
                       蔡 静如  (台湾)
 皆さんこんにちは。私は台湾の蔡静如です。日本では、シズと呼ばれています。今から、台湾と日本の視覚障害者の福祉について、話したいと思います。
 私は全盲の視覚障害者です。どこへ行っても、手で触ったり、足で踏んだり、耳で聞いたり、鼻でかいだりすれば、環境の特徴をよく理解することができます。
 11才の時に初めて日本に来ました。道の上に点字ブロックがあって、その時びっくりしました。まさか歩道の上で点字を使うとは思わなかったからです。
 20才の時、もう1回日本に来ました。博物館を見学して、点字の説明書をもらいました。商品を買うと、ときどき点字のラベルが貼られていました。その時、とても便利だし、うれしいと思いました、それでよく日本に旅行に来たいと思いました。
 去年の10月に日本に来ました。そして日本の視覚障害者の生活がわかりました。社会参加や自立支援などが発展していて羨ましいと思いました。例えば、道を渡るとき交差点の信号の音で確認ができます。さらにバスに乗るとき、決まった乗り場で時刻表通りにバスが止まります。それでどこへ出かけていくのも安全です。
 以上、日本のことを述べましたが、私の国は台湾ですから、今から台湾について話します。
 最近台湾では、10年ぐらい政府とNPOグループが国連の障害者の権利に関する条約に基づいて、視覚障害者の福祉について、一生懸命調整をしています。
 まず、交通についてです。
1.大きい交差点に 音の出る信号を付けるようにします。
2.地下鉄の駅の改札で音を出すようにします。
3.地下鉄駅のホームドアに点字を書いて、何号車の何番ドアなのかを説明するようにし  

ます。
4.バス乗り場に特別に障害者の席を作ります。運転手さんはそれを見て、止まるように 

なります。
 次は、生活についてです。
1.商品の上に点字のラベルを貼るようにします。
2.博物館に点字の説明書を置いたり、音声の説明が聞けるようにします。
 将来もっと色々な福祉のサービスが良くなると、期待します。
(来日して3カ月。板橋区で行われる外国人スピーチ大会に向けて作文を作りました。二人の思いのよく出た内容でしたのでご紹介しました。)


3月16日?17日 

第一回台日治療按摩研修会がIAVIの支援で開催されます!
=帰国留学生の活動に応えて=
 

台湾のマッサージ事情についてはロータス282号で、元留学生で台北盲学校の教師として働いている謝 瑛昌(シェ・インチャン)さんに解説してもらいました。「マッサージの技術アップをしていかないとマッサージ業の発展はないのでは」という彼の強い危機感と何とかしたいという使命感が今回のセミナーとして結実しました。
 アジアの視覚障害者のマッサージ業の発展に尽力されている筑波技術大学教授で、一般財団法人一枝のゆめ財団専務理事の藤井 亮輔先生の全面的な支援で実現の運びになりました。治療按摩研修会として理療従事者と教師を対象として台湾の視覚障害者のセンター的な役割を果たしている財團法人愛盲基金會の呼びかけで開催されます。
 謝君は教師として、25年以上にわたり現場で理療業に従事するたくさんの視覚障害者を教育してきました。今後、台湾でもマッサージ業への晴眼者の進出が本格化していくなかで、視覚障害者の職業自立のために働きたいと日本留学をした彼にとっては、日本との交流活動の中で一つの課題解決の方策を見出したわけです。
 数年前から彼の思いを何より大切なこととして認識した私たちは、Skypeを活用した日本語のフォローや、日本語のスクリーンリーダーを活用したパソコン指導などを行い、台湾と日本との理療の架け橋になれるように関わってきました。そのような意味では、IAVIの役割を体現した人であり、活動であることを確信しています。このセミナーは継続的な取り組みの一つであることを謝君とも確認しております。
 さらに、日本の盲学校で医療マッサージを学んで帰国した元留学生達が、継続的に日本との繋がりの中で、自国の視覚障害者の自立にむけて活動していく、そして私たちがそれを支援していくと言う、IAVIの存在意味が大きく問われる活動であることも確認したいと思います。

元気に頑張っています
                    ジョロベコヴァ・シリン(キルギス)
 皆さんこんにちは、シリンです。あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。久しぶりですね皆さん。皆さんお元気でしょうか。私も元気です。昨年6月末にキルギスに帰ってきて少し大変でした。キルギスは日本ではないからいろいろ大変でした。鍼をキルギスで使うために厚生労働省にお願いしましたが、大学卒のレベルでないとダメだと言うことで許可がもらえませんでした。今は国立病院でマッサージ師として9月末から働いています。ですから皆さん手伝ってください。キルギスで鍼を使えるようになるために何をしたら良いか、意見があったらよろしくお願いします。
 今は1月から、視覚障害者の小さなグループを作って日本語を教えて、私達の後から続いて日本で鍼・灸・マッサージ学ぶために日本語を教えるコースを作ろうとして頑張っています。
 そしてキルギスの医療大学の中に視覚障害者のための2年間のマッサージコースがあります。そこで日本の按摩を教えようと話しています。いつから始まるかまだ決まっていません。
 今この時期はマイナス10度とか15度になりますが、今年は暖かいです。夜はマイナス6度まで下がりますが、昼は結構あったかいです。プラス2?3度になります。キルギスもお正月で昨日までお休みで、今日から仕事です。
(2018年1月4日に聞き取り。IAVIからは「みんなの日本語」の点字の本を5セット送っています。)

ミャンマーで体験したこと
                       ダン・クンチャン(福岡市在住)
 ヤンゴン市内の店が多く市場も近い良いところにある、この12月に開かれたばかりのマッサージ店に行った。最近マッサージ店がどんどんできています。視覚障害者に接したこともない晴眼者がどんどん雇っている。誰でも良いという感じで雇う。店で雇用するのは視覚障害者だけしかいないので、どんどん雇用される。
 そんな中でマッサージを受けたが、大変な目にあった。最初はその店で働く友達にやってもらうつもりだった。でも友達は他のお客さんにマッサージをしていたので、他の人がやってくれた。その男の人は、盲人同士はやりたくない、マッサージの先輩だから、いやだと。とりあえずやってもらったが、挨拶もしないし一切声をかけない。いきなり強くもむ。弱くしてといったら、そのときだけでまた全身を強くもむ。結局腰が動かなくなってしまい、2週間ぐらいずっと漢方薬を使用した。たくさん店ができまじめに頑張っいてる視覚障害者もいるけど、良い店を転々とただする人も多い。お金だけ考えて自分の技術を高めようとしない人が多い。
 盲学校できちんと習って証明書を取っていますけど、友達からちょっと習って仕事する人も多い。下手なのは当然ですね。
 盲学校でマッサージ師を養成しているが、そこにもお店があるので、訓練を受けた人が外で働かない。雇用されるからどんどん育成してほしいと思う。マッサージができれば仕事する場所があるから、働いて自立できる良い機会です。きちんと育てれば良いなと思います。

「白い杖の留学生 ミャンマー編」を参考にしてください
 昨年9月に「白い杖の留学生 ミャンマー編」を作成しました。ダン・クンチャンの体験記にも明らかなようにミャンマーは今大きな変化の波の中にあります。視覚障害者をめぐる状況も大きく変化しているようです。私たちもその点をきちんと知ってみようとの思いで出版しました。写真もたくさん、わかりやすい内容です。是非ご一読ください。郵送代のみご負担願います。また、テキストデータ版もご用意します。下記の要領でお申し込みください。「白い杖の留学生ミャンマー編」のコンテンツは以下のとおりです。
 はじめに
 国際視覚障害者援護協会の活動 白い杖の留学生たちと共に
 第1章 ミャンマーの基本情報
  ☆ミャンマーってどこにあるの?
  ☆ミャンマーってどんな国?
  ☆ミャンマーの歴史
  ☆ミャンマーの経済
  ☆技術支援、人づくり支援の成果を実感 入国介助の旅で考えたこと
 第2章 4人の留学生の自己紹介と日本留学の夢
  ☆留学生からの自己紹介     ミャンマーのまめ知識
  ☆「目が見えないから、これしかできない」という壁を破りたい
 第3章 ミャンマーの視覚障害者
  ☆ミャンマーの視覚障害者の現状と活動内容 ミャンマー盲人協会
 第4章 視覚障害者の理療の状況
  ☆社会に生きる喜びを目指して?ミャンマープロジェクトを中心に
  ☆帰国して仕事の現状
  ☆トピック 福岡市とヤンゴン市が姉妹都市の締結へ
 第5章 日本でミャンマーを感じる
  ☆料理、レストランとショップの紹介とミャンマー祭りの紹介
 あとがき
 ☆白い杖の留学生支援のためのお願い              」

 ご希望の方は該当する金額の切手を事務局までお送りください
  1冊→140円、2冊→180円、3冊→205円。なお、テキスト版CD→120円。

編集局からのお知らせ
 巻頭言での理事長の経過報告のようにIAVIの運営については大変厳しい状況となっております。これまでの活動全般の見直しが迫られています。ロータス通信の発行についても、ホームページの大幅な改善をおこないながら、並行して年6回の偶数月発行を、年4回の各季発行に変更したいと思います。ホームページを活用して行事予定やその報告などを、こまめに掲載したいと計画しております。
 また、回数を少なくすることを契機に、編集局としてのきちんとした体制を作り、さらに内容の充実を図りたいと思います。2018年度は、6月、9月、12月、3月の発行を予定しております。どうかご理解と、引き続きのご支援をお願いいたします。

卒業・進学・研修終了をお祝いする会
 寒さの続く中、春待ちどおしいこの頃ですが、もう1か月もすれば桜の咲く頃ですね。留学生達も新しい環境への準備に忙しいこのごろです。
 これまで支えていただいた多くの皆様と、楽しく交流しながら、卒業・進学・研修終了をお祝いしましょう。軽食をご用意します。
  日時:3月24日(土)12時?14時
  場所:国際視覚障害者援護協会3F会議室   
  会費:1,000円
お申し込み:3月20日までに、事務局まで電話かメールでご連絡ください。 
 電話:03?5392?4002  メール:info@iavi.jp

= 業務日誌 =
12月 5日 板橋の鍼灸医・金子さん来館、情報交換・館内紹介。
12月 7日 新井さん、大活字シンポで基調報告。
12月 8日 リンさん、シズさん、徳丸芸能祭に参加、発表。
12月 9日 リンさん、シズさん、後楽園遊園地を観覧。
12月10日 卒後鍼灸手技研究会・定例研究会の事務を担当。
12月11日 光の園・菊池さん来館、情報交換・館内紹介。
       インターホン故障、修理工事に立ち会い。
12月14日 『ロータス通信』第283号、発送作業。
       札幌の目黒さんご夫妻来館、情報交換・館内紹介。
       おたがいさまネットワーク月例会に参加。
12月16日 塙保己一賞授賞式に出席、川又さん母娘と交歓。
12月19日 リンさん、シズさん、浅草散策(羽子板市・川船乗船)。
12月21日 リンさん、シズさん、おたがいさまネット忘年会参加。
12月22日 筑波盲寄宿舎閉舎、留学生3名来館・宿泊(?1.9)。
       台湾マッサージセミナー打ち合わせ。
12月25日 文科省・鈴木課長補佐来館、補助金廃止通告
12月28日 仕事納め。
12月29日 留学生等、共用品推進機構アンケートに協力。
       日本点字普及協会トッテンくんアンケに協力。忘年会。
12月30日 リンさん、シズさん、デイサービスおむすび行事参加。
12月31日 留学生6人、南蔵院で年越し、氷川神社で年始。
1月 3日  留学生6人、高尾山初詣でに参加。
1月 4日  仕事始め。アクモールさん、宿泊先移動の引率。
1月 5日  リンさん、シズさん、高島平ピンポン大会に参加。
1月 7日  IAVI新年会、清水町地域センターで開催(60名参加)。
1月 9日  筑波盲寄宿舎開舎、留学生4名退館。
1月11日  基本財産取り崩しに向け、都庁訪問。
1月12日  文科省補助金廃止を受け、緊急役員会議開催。
1月15日  板視協新年会に出席。
1月17日  理事・安達さんのご主人の葬儀に参列。
1月19日  リンさん、シズさん、ヘレンケラー協会見学。
1月20日  指田さん塙保己一賞受賞祝賀会に出席。
1月21日  卒後鍼灸手技研究会・定例研究会の事務を担当。
1月25日  リンさん、シズさん、アサクラ眼鏡訪問。
       点字ジャーナル懇談会に出席。
1月28?30日 リンさん、シズさん、関西方面修学旅行。